しわがよるほくろがでける腰曲がる
頭がはげるひげが白くなる
手は振るう足はよろつく歯は抜ける
耳歯聞えず目はうとくなる
身に添うは頭巾襟巻杖眼鏡
たんぽおんじゃくしゅびん孫の手
聞きたがる死にとむながる淋がる
心歯曲がる欲深くなる
くどくなる気短かになる愚痴になる
出しゃばりたがる世話やきたがる
又しても同じ話に子を誉める
達者自慢に人はいやがる
※たんぽー湯たんぽ、おんじゃく-温石、しゅびん-尿瓶
上記のなざれ歌(戯歌)は、江戸時代後期に生きた僧侶で絵描きでもある仙崖義梵(せんがいぎぼん)の読んだ作品である。
肉体の老いもさることながら、後段の精神の老いは笑ってもいられないのではないでしょうか?