生き方 ④

SNSで形を残すツールがたくさんできたことによって、心に残すことがだんだんなくなってきている。

写真をたくさん撮っても、自分ではあまり見ない。
それは、人に見てもらうための写真である。

美術館や劇場でも、パブリシティーのために写真を撮ってもいいコーナーができた。

ブロードウェーでも、アンコールの間は写真を撮っていい。
アンコールの写真を撮りに行く人は、作品自体は見ていない。

「ニューヨークでブロードウェーを見た」という形だけを残しているにすぎない。

目の前の光景を目に焼きつけて日々新しい思い出を作る生き方は、大人的ではないか